追悼

柴田賢氏（Trinity 1960）の想い出に寄せて

本会の創立ならびに運営に携わった柴田賢氏（Trinity 1960）が2020年2月28日に逝去されました。

柴田賢氏は1955年に名古屋大学理学部地球科学科を卒業後、翌年11月に工業技術院地質調査所に奉職され、1993年に名古屋大学理学部教授として着任、1996年に退官された後、名古屋文理短期大学（1996～99年）ならびに名古屋文理大学（1999～2003年）教授を歴任されました。柴田賢氏は日本を代表する地質学者であり、日本最古の岩石の同定など、数多くの卓越した業績を残されました。1983年には「放射年代の測定」で日本地質学会賞受賞、2008年には日本地質学会の名誉会員に選出されました（詳細は以下のサイト参照）。

http://www.geosociety.jp/outline/content0119.html#06

柴田賢氏は日本列島を網羅する多数の岩石試料を組織的に年代測定することで同位体年代学分野における先駆的・指導的な役割を担い、日本列島の地質学的成り立ちを理解する上で多大なる貢献を果たされました。

1958～2016年に出版された柴田賢氏の日本語の研究論文（英文タイトル付き）一覧は以下のサイトをご参照ください。

https://staff.aist.go.jp/miyagi.iso14000/nkysdb/f8/4f/c2759be40195146bc9aa6e57f487587ee2dc.html

英語で出版された論文のリストは、すべての業績が網羅されてはいないものの、柴田賢氏が1956～93年に勤務された地質調査総合センターのサイト（下記）でご覧いただけます。

http s://www.gsj.jp/sitesearch_en.html?q=ken%20shibata

柴田賢氏の学術的貢献に改めて深い尊敬の念を抱くとともに、本会の創立と運営に深く関わられたご貢献に心より感謝し、在りし日の暖かいお人柄を偲びつつ、ここに深い哀悼の意を表します。

ゲルハルト・ファーゾル

渡辺千香子　翻訳

2020年3月4日